SSブログ

新刊「きみが好きだよ」 大木実 詞華集

  とまり木に翼を寄せあう
  二羽の雛鳥のようなわたし達
  のぞけばおまえの瞳にわたしの姿が映っている
  わたしの瞳にもおまえの姿が映っているのだろう
  誰からも祝福を享けず
  誰にも知られず
  ひとりはひとりを信じ
  ひとりはひとりを頼ってささやかな巣を護る
  わたし達のうえにも
  朝には陽が夕べには眠りやゆめが静かに訪れてくるだろう
  貧しいわたし達の生活ながら翼を寄せあい
  温かな生涯が始まったのだ

この詩集に収められている『巣』という詩です。
胸がジーンとあつくなりました。
  
  三十年いっしょに暮らしてきた妻
  髪に白いものがみえる妻
  口にだして言ったらおかしいだろうか
    きみが好きだよ
  青年のように
  青年の日のように

何と温かいのでしょう。


大木実さんは、大正2年に生まれ平成12年、83歳で亡くなられたそうです。
11歳の時に関東大震災に遭い、戦争へも征き、復員。激動の時代を生きた人
です。

詩のひとつひとつから、日々の生活を大切にされ、その時々の気持ちを大事
に過ごされたことが、しみじみと伝わってきます。


きみが好きだよ

きみが好きだよ

  • 作者: 大木 実
  • 出版社/メーカー: 童話屋
  • 発売日: 2008/10
  • メディア: 単行本



タグ:出版K
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。