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出会った頃に

童話屋ブログを読んでくださっているみなさま。童話屋との出会いは、 いったいいつ頃、そしてどんなふうだったのでしょうか。本屋でたまたま童話屋の本を手にとって、図書館で借りて、友人に薦められて、小さい頃両親に読み聞 かせしてもらって、プレゼントされて、好きな詩人さんの本を探していて、教科書で詩を読んで、インターネットで検索していて…。きっといろんなかたちの出 会いが。わたしと童話屋との出会いは、かれこれ20年以上も前にさかのぼります。童話屋とのはじめて出会い、それは「のはらうた」との出会いでもありまし た。

わたしの通っていた学校は私立の一貫教育で、そのせいか、いま思うと 少し変わった授業が多かったように思います。特に国語の授業は、ほとんど教科書を使わずに、文庫本だったり詩集だったりそれらをコピーしたプリントだった りと、先生が好きな教材を持ってくる、というのが基本。(おかげで、普通だったら教科書に載っている、茨木のり子さんや石垣りんさんの詩は習ったことがな く、出会いはもっと後のことになります。そうかと思うば、沢山の書き込みがあるぼろぼろの『智恵子抄』が本棚に残っていたりもします。)そんなある日、小 学校3・4年の担任だったK先生が、国語の授業に持ってきたのが「のはらうた」でした。先生に紹介してもらうと、クラスのみんなは、すぐに気に入りまし た。読み合いっこするうち、自分達でも「のはらうた」を作ってみよう!ということに。「のはらうた」の1巻には、『てんてんのうた』というタイトルで、何 人かの野原の住人たちが詠んだ詩がでてきます。
「てんてんてん なんじゃらほい
 ○○○○○が てんてんてん」
ではじまる、覚え やすくて軽快でちょっとコミカルな歌。型が決まっているので、これなら小学生でも作りやすいと思ったのでしょう。クラスのみんなで、ひとりずつ『てんてん のうた』をつくり、オリジナルの「のはらうた」詩集を作りました。いまみたいな綺麗な紙じゃありません。ざらざらした藁半紙に印刷して、緑の色紙で表紙を 作り、ホッチキスでとめただけの簡素なものでした。でも、とてもとても素敵な詩集だったのです。

それから20年以上経って、不思議な縁で童話屋で働くことになったわ たし。1巻が発売になったのが84年のことなので、いまから考えると、みんなで詩集を作ったのは出版されて間もない頃のことになります。(とか書くと、年 齢がばれますが。)「ときどきのうた」の連載のずっとずっと前に、わたしってば「のはらうた」作りをしていたんですね。授業で採り上げてくれた先生に感謝 しつつ、小学生の頃に戻った気分で『てんてんのうた』を。

 てんてんのうた
          ひまわり ひなた

 てんてんてん なんじゃらほい
 きいろの おひさま てんてんてん
 いっぱい ならんで さいたから
 あつい! まぶしい! てんてんてん

やっぱり小学生の頃のほうが上手だったような…。ちなみに、緑色のお手製「のはらうた」、実家を探しても見つからないのです。引っ越しのときにどこかにいってしまったのかしら。自分が幼い頃、どんな詩を書いていたのか、もう一度見てみたいなあ。
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