しめ飾り
童話屋の玄関を入ると正面にしめ飾りがかけてあります。
初めて見たときはお正月の飾りがまだ・・・と驚きましたが、これは伊勢地方のもので、伊勢では一年を通してかけておくのだそうです。
この童話屋にある飾りの木札には「笑門」と書かれていますが、これは簡略化されたもので、元々は「蘇民将来子孫家門」。
蘇民将来さんの言い伝えから、子孫の家であることを示すことによって、禍をもたらさないお守りとして掛けているのだそうです。
ですので、童話屋でも、新年に新しいものに取り替え、翌年までずっとそのままです。
この「笑門」という札、「笑う門には福来たる」という意味にもとれて、いつも笑おう、楽しもうって思わないとなあということを思い出させてもくれて、なかなかよいです。
当たり前と思ってしまっていることが、場所が変わると当たり前じゃなかったりする、風習の違い。なぜ?と疑問に思うこと、どうしてだか知ること、両方とも面白く楽しいことです。
日本経済新聞1月9日(金)夕刊の「こころの一冊」に『まるいちきゅうの まるいちにち』が紹介されました。「1冊で9回も楽しめる絵本」「この1冊から引き出せるものは多く、しっかり読み解いて、同じ地球に住む人々の、多様さの一端を実感して楽しんでください」と書いてくださっています。
この本は、世界8ヵ国8人の絵本作家さんと安野光雅さんが一緒に作った絵本で、ある年の1月1日ロンドンのグリニッジ標準時0時にあわせて始まり、ページをめくる毎に時間が3時間ずつ進みます。
1見開きに、アメリカ、イギリス、ブラジル、ケニア、ロシア、日本、中国、オーストラリアの8ヵ国の子どもたちの生活と、日付変更線に浮かぶ空想上の無人島が、同時進行で描かれています。
ひとつの見開きに描かれているのは、同じ時の様子ですが、時差があるので、住む場所によって日付や時間や季節に違いがありますし、生活や習慣に違いがあります。違う場所に住む子どもたちがどんな暮らしをしているのか、世界へ目を向けるきっかけに、そして地球全体のことを考えるきっかけになる本です。
大人になってもういちど読み返してみると、子どものときに不思議に思ったことが、分かるようになっているかもしれませんね。
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