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デビュー

二月は一年のなかでも一番短い月。
気が付けばもう半ばを過ぎ、来週で二月も終わりですね。
春一番も早々に吹き、週末はどうしたのかしらのぽかぽか陽気でした。
そして、そのあたたかさにつられて、
一斉に春を呼ぶ花たちが咲き始めたようです。

会社の近くの家に咲く河津桜は、一足早い南の風を運び 、
甘い香りの沈丁花も、ようやくさらりとした白い花を開き始めました。
沈丁花は、年明け早々には赤紫色のつぼみをつけますが、
そこからがいつも、はらはらと心配になるほど時間が掛かります。
寒さにかじかんで、ぎゅうと握りしめた手のひらは頑なで、
ふたつきほど掛けて少しずつ少しずつあたためられてから、
やっと心を許したようにゆるゆると指先を広げます。
それから、ふわりと明るい光をふりまく、黄色のアカシア。
足長の満作や、さんしゅゆもちらほらと見かけるように。
童話屋のベランダにも、背筋を伸ばした菜の花と
仲良く並んだムスカリたちが咲きそろいました。
木蓮の、小動物のなめらかな毛並みのようなつぼみも
ふっくらとふくらんできて、時を待ちます。

そういえば、梅や桜、こぶしや木蓮、春先に木々に咲く花たちは、
不思議と葉のないものが多いように思います。
たぶん、きびしい冬の寒さのなかで大事に蓄えたエネルギーを、
花、というかたちに全て注いでしまうから。
でも、だからあんなにはっとする程綺麗なんだろうなあ、と。

それにしても、わたしが、寒い寒い!と
まだ真冬のコートにくるまっているのに引き換え、
見上げる花たちのなんと軽やかなこと。
女子失格だわ、と明るい色の春服を買いに行きたくなるこの頃。
…とはいえ、そんな春めいた気分とともにやって来た花粉症シーズン。
やわらかなスカートよりも先に、 デビューしてしまったのは白いマスク。
なにもこんなところだけ季節に敏感でなくてもいいのですが。

なにはともあれ、本格的な春はすぐそこ、です。
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